02. 取り組みと事例
各分野ごとの取り組みや、事例などを教えてください。
前例にとらわれない新しい機器へのチャレンジ
K.S:例えば、いまではよく見るUAV(ドローン)ですが、私たちはまだ航空規制もない2013年頃から国内で先駆けて測量技術に活用しました。まずは取り寄せてみて、自社で研究しながら、精度のチェックや試行錯誤を積み重ね、測量として活用するためのノウハウを蓄積していきました。そうしていくうちに、協会からUAVが測量に使えるかどうかの検証依頼やマニュアル整備に向けた依頼があり、新しい技術活用のルールづくりに参画するといったこともありました。
K.N:技術は日々新しくなっていって、私たちも常に最新のものを活用しています。機器によっては、まだ国内での使用ルールが定められていないこともあります。こうしたルール整備も含め、積極的にチャレンジすることで技術開発を行っています。現在では、上空から広範囲の地形を3次元計測する技術のほか、災害調査等にも広く活用しています。
取得したデータを最大限に活用するためのソフトウェア開発
K.N:測量したデータを取得し解析していく工程の中で、これらを管理するソフトウェアの開発にも、私たち空間事業部の技術は活きています。
S.O:主な目的は、社会インフラの調査・計画・設計・維持管理の高度化や効率化です。既存の市販ソフトウェアだけでは実現できないことも多くあるため、顧客のニーズにあわせてプロジェクトごとに最適なソフトウェアを開発し、データベースを構築しています。また、社内のいろいろな部署から寄せられる要望を受けて、業務効率化につながるツールやソフトなどをつくることも行っています。今後は、こういったソフトフェアのパッケージ展開も広げていきたいと考えています。
蓄積した技術やノウハウの発展

K.S:現在の課題に応じて、自分たちで測量機器を開発することもあります。たとえば、道路空間の空間データを取得するレーザー計測機を応用・発展させ、鉄道の枕木の形状計測を行うことができる機器を、鉄道会社とともに開発しました。これによって、従来までは人力で計測していた枕木の形状を、軌道上を走行しながら効率的かつ迅速に枕木の維持管理に必要となる情報を収集できるようになりました。この機器は、特許も取得できているので、社会課題の解決に貢献できていると思います。
